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財務の良い経営者はB/Sを見る
みなさんは、PL(損益計算書)とBS(貸借対照表)のどちらに興味がありますでしょうか?これまでたくさんの社長さんとお会いしてきましたが、多くの社長さんが興味を持っているのはPL、その中の売上という意見が一番多いです。ただ、会社の大きな課題を見つけるには、PLよりもBSです。PLでわかるのは「瞬間風速」、BSでわかるのは「歴史」です。PLは1年間の成績ですが、BSは過去からの積み重ねです。
例えば、過去10年間、毎年1000万円の赤字を出し、今期だけ1000万円の利益を出すと、-9000万円の状態です。反対に過去10年間、毎年1000万円の利益を出し、今期だけ1000万円の赤字を出したら、+9000万円の状態。普通に考えれば、後者が良い状態、潰れにくい状態であることはわかりますが、このときに、PL(瞬間風速)しか見ていない人は、平気で前者の方がいいじゃないかとおっしゃられるのです。
潰れにくい会社を作るには、PLよりもBSです。潰れにくい会社はお金の残高が多く、そして、自己資本比率が高い(30%以上)。これらがわかるのは、PLではなくBSです。残高が少ない会社はお金を増やす。単純に言うと借りる。儲けて増やすのはすぐにはできなくても、返済期間を延ばすことはすぐできます。待ったなしの状態であれば、返済を止める。それから売上に繋がらない資産を売却する。これらは全てBSです。
BSが悪化すると、資金繰りのことで頭がいっぱいになり、本来やるべきことができず、PLも悪化していきます。改善しやすいのは、PLよりもBS。PLは全社員で作っているものですが、BSは社長一人の決定だけで作られており、社長一人が変われば変わるからです。
潰れにくい会社を作りたい、資金繰りの悩みから解放されたい、本来やるべきことに時間を使いたいという社長は、PLだけでなく、まずはBSにも興味を持つようにしていただければと思います。